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2011年12月30日

一括交付金時代に向けて

今回の沖縄振興予算案は600億円の増額予算(昨年比)です。
私は沖縄振興予算の全てを一括交付金化せよと言ってきましたので、今の予算には満足しておりませんが、それでも概算要求から大幅に増額されるということはかつてなかったことですし、まさに異例ともいえるものです。
それも一括交付金という民主党が掲げてきた地域主権の目玉政策をしかもソフト関連予算を沖縄が全国に先駆けて実施をするわけですから、全国的にも注目もされております。これまで沖縄には多額の予算が配分され、その予算の計上から執行まで国に依存する関係でもありました。

ただ、次年度予算に自由度の高い一括交付金が計上されることになったことから、国の査定を受けるのではなく自由度が増すものの、その使途については事後に会計検査院などのチェックを受けることから、自主性が必要となるわけです。このチェックを受けて、適正な使い方でなければ返還も生じるわけですからリスクも生まれます。

しかしながら、事業策定から実施にかけて沖縄の自主性を発揮できることによって、地域のニーズを反映させることがこれまでより、格段と進むことでしょう。こうした時代、私は一括交付金時代と読んでみたいと思います。

次年度はその初年度です。今回の予算の特徴は一括交付金が2937億円の約半分にあたる1500円超も一括交付金となったことであり、それも予算増額となった部分は国が使途を定めていないソフト関連事業です。
これを一年で使えと言われておりますが、実はそう簡単ではありません。いずれにせよ、この使途をどうするか、県庁では財政課を中心に年末年始休みなく沖縄県予算計上に向けて奮闘しています。

いくらソフト事業で、自由度が高いと言っても何にでも使えるというわけでもありません。また、沖縄県だけが事業をすすめるというわけでもなく、各市町村が事業を検討し、提案する必要もあるので非常に難しいわけであります。
私から見れば、これまで知事は
「3000億円の一括交付金を」
と言ってきたわけですから、その使途を想定していたはずですから、
「今さら何で」
と言いたいところですが、今からそんなことを言っても何かが生まれるわけではありません。

とにかく沖縄県の顕在している課題、潜在的な課題を事業にすることを急がなければなりません。それを検討していく際には、二つのテーマがあるかと思います。一つは、沖縄特有の問題、例えば地理的不利性の克服、復帰しても未だに解決できない課題です。これらの問題は、これまで沖縄振興予算で計上されてきたものの、ソフト関連事業には充分な予算がついていないため、事業が執行できてこなかったものなどを検討してみる必要があるでしょう。例えば、今朝の地元紙に掲載されていた、子育て関連、とりわけ夜間保育の設置など沖縄特有の課題解決に振り分けることも必要でしょう。

もう一つは、全国に先駆けて実施するパイロットケース的な事業の実施か日本の成長を引き出す事業などでしょう。こちらについては、すでに2009政策インデックスに盛り込まれてもいるし、2010年の参院選マニフェストには、「沖縄を東アジアの経済・文化交流の拠点と位置づけ、地域の特性を活かせる施策の先行実施や、地域独自の施策の支援を行います」と書かれていますので、そこから事業を展開していく必要があるでしょう。例えばすでに補助事業として実施を進めている、スマートエネルギー事業の全島化を大がかりにするなど、沖縄を島嶼型スマートグリッド事業のパイロットケースとして、これらの投資等をパッケージにして、東アジアなどの島嶼部や亜熱帯地域に売り出せるようにするとか、日本の成長戦略とリンクし、尚且つ、沖縄の発展にも貢献できるような事業は可能なはずでしょう。

これらの二つのテーマのうち、一つのテーマですすめられる事業も必要ですが、二つ兼ね備えた事業であれば、全国に先駆けて実施する意味も出てくるかと思います。
そういう意味では、今、沖縄に必要な視点というのは、沖縄固有でもありなかなかこれまでの手法では解決できなかった理由を見つけ出し、それを解決することと世界的な趨勢の中で沖縄の可能性をいかに引き出し、その時流の先端モデルとして展開できるかということです。

いずれも今の県庁職員にはできるのか、県内外で問われています。
私は出来ると思います。県庁職員のやる気と能力を最大限に発揮して、短期間で予算をつくり、尚且つ今後10年、20年後の沖縄を切り開くそんな課題に切り込んでいただきたいものです。

年末年始にかけて奮闘する皆さんにエールを送り、次年度から始まる一括交付金時代を迎えたいと思います。



Posted by 上里ただし at 19:29│Comments(0)
 
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