
2011年07月25日
沖縄振興審議会は必要か?
本日、25日、政府の沖縄振興審議会(会長・伊藤元重東大大学院教授)が開催されたとの報道がありました。
基地跡地の利用を進めるための新しい法律の制定が意見としてまとめられたようですが、沖縄県が求めている一括交付金については、
「留意する必要がある」ととどめるだけだったというニュースを拝見いたしました。(違うニュースでは、「創設に向けて国と県が具体的な検討を進めるよう求めて」いるとのこと。どちらが正しいのかわかりませんが、検討を進めるよう求めるという表現はあまりにも弱いでしょう)
一括交付金が政府の審議会で無視されたような印象がありますが、私にとっては想定内のことで、「いかにも」、という結論でした。もともとシナリオがあったのかと推察するしかありませんが、とにかく事務局の意向を体現したものしか結論が出ないという審議会答申のお手本のようなものが出来上がったとみています。
それもすでに政権与党である民主党が出した一括交付金の提言よりも後退しているのではないでしょうか。
一括交付金の導入を食い止めようとしている皆さんがいることは承知しておりますが、審議会後の官房長官の記者会見では、「(創設の方向性は)はっきりしていること」と述べていることからもその実現は確実なものとなっているのでしょう。
それにしてもこの沖縄振興審議会というのは何のためにあるでしょう。沖縄振興特別措置法には、
(沖縄振興計画の決定及び変更)
第五条 沖縄県知事は、沖縄振興計画の案を作成し、内閣総理大臣に提出するものとする。
2 内閣総理大臣は、前項の沖縄振興計画の案に基づき、沖縄振興審議会の意見を聴くとともに、関係行政機関の長に協議して、沖縄振興計画を決定する。
3 内閣総理大臣は、沖縄振興計画を決定したときは、これを沖縄県知事に通知するものとする。
そしてこの審議会の設置については法律の最後の法で書かれており、
(沖縄振興審議会の設置及び権限)
第百十一条 この法律の規定によりその権限に属せしめられた事項その他沖縄の振興に関する重要事項を調査審議するために、内閣府に沖縄振興審議会を置く。
2 沖縄振興審議会は、沖縄の振興に関する重要事項につき、内閣総理大臣に対し意見を申し出ることができる。
とあります。沖縄県知事が作成した案をこの審議会から「意見を聴く」ことによって、まず県の独自性を薄められます。関係行政機関の長と協議が何を意味するか分かりませんが、法律通りのプロセスであれば沖縄県民の意向はさらに薄められていくでしょう。あげくの果てには、その内容を内閣総理大臣が県民の意向と違っても「決定する」とのことです。さらにその決定を一方的に「通知する」というのは、地域のことは地域で決めるという民主党が描く地域主権とはかけ離れています。
国の政策決定のプロセスの基本形だと言われれば納得しますが、それにしても今回の審議会が出した答申は、県知事が作成した沖縄振興計画の案に基づいたものではないと思うのですが、県が掲げる基本構想や基本理念を欠いた答申というのは意味がありません。県の意向が無視されるようであればそもそもこの審議会は不要でしょう。
沖縄の未来を決めていく審議会が東京で開催され、しかも沖縄県が望んでいるような姿を積極的に否定するわけではなく無視するようであれば、審議会のあり方そのものの検討を次の法律で改正を求めなければならないでしょう。
この審議会のメンバーには沖縄県知事も入っています。沖縄県知事は一括交付金の制度化を政府に何度も何度も訴えております。今後、沖縄県の意向が全く無視されるようでしたら、この審議会の委員から外れるべきです。県の制度要望に向けた姿勢を毅然と示すべきではないでしょうか。今回の答申を見て、知事の強い態度を迫っていきたいものです。
基地跡地の利用を進めるための新しい法律の制定が意見としてまとめられたようですが、沖縄県が求めている一括交付金については、
「留意する必要がある」ととどめるだけだったというニュースを拝見いたしました。(違うニュースでは、「創設に向けて国と県が具体的な検討を進めるよう求めて」いるとのこと。どちらが正しいのかわかりませんが、検討を進めるよう求めるという表現はあまりにも弱いでしょう)
一括交付金が政府の審議会で無視されたような印象がありますが、私にとっては想定内のことで、「いかにも」、という結論でした。もともとシナリオがあったのかと推察するしかありませんが、とにかく事務局の意向を体現したものしか結論が出ないという審議会答申のお手本のようなものが出来上がったとみています。
それもすでに政権与党である民主党が出した一括交付金の提言よりも後退しているのではないでしょうか。
一括交付金の導入を食い止めようとしている皆さんがいることは承知しておりますが、審議会後の官房長官の記者会見では、「(創設の方向性は)はっきりしていること」と述べていることからもその実現は確実なものとなっているのでしょう。
それにしてもこの沖縄振興審議会というのは何のためにあるでしょう。沖縄振興特別措置法には、
(沖縄振興計画の決定及び変更)
第五条 沖縄県知事は、沖縄振興計画の案を作成し、内閣総理大臣に提出するものとする。
2 内閣総理大臣は、前項の沖縄振興計画の案に基づき、沖縄振興審議会の意見を聴くとともに、関係行政機関の長に協議して、沖縄振興計画を決定する。
3 内閣総理大臣は、沖縄振興計画を決定したときは、これを沖縄県知事に通知するものとする。
そしてこの審議会の設置については法律の最後の法で書かれており、
(沖縄振興審議会の設置及び権限)
第百十一条 この法律の規定によりその権限に属せしめられた事項その他沖縄の振興に関する重要事項を調査審議するために、内閣府に沖縄振興審議会を置く。
2 沖縄振興審議会は、沖縄の振興に関する重要事項につき、内閣総理大臣に対し意見を申し出ることができる。
とあります。沖縄県知事が作成した案をこの審議会から「意見を聴く」ことによって、まず県の独自性を薄められます。関係行政機関の長と協議が何を意味するか分かりませんが、法律通りのプロセスであれば沖縄県民の意向はさらに薄められていくでしょう。あげくの果てには、その内容を内閣総理大臣が県民の意向と違っても「決定する」とのことです。さらにその決定を一方的に「通知する」というのは、地域のことは地域で決めるという民主党が描く地域主権とはかけ離れています。
国の政策決定のプロセスの基本形だと言われれば納得しますが、それにしても今回の審議会が出した答申は、県知事が作成した沖縄振興計画の案に基づいたものではないと思うのですが、県が掲げる基本構想や基本理念を欠いた答申というのは意味がありません。県の意向が無視されるようであればそもそもこの審議会は不要でしょう。
沖縄の未来を決めていく審議会が東京で開催され、しかも沖縄県が望んでいるような姿を積極的に否定するわけではなく無視するようであれば、審議会のあり方そのものの検討を次の法律で改正を求めなければならないでしょう。
この審議会のメンバーには沖縄県知事も入っています。沖縄県知事は一括交付金の制度化を政府に何度も何度も訴えております。今後、沖縄県の意向が全く無視されるようでしたら、この審議会の委員から外れるべきです。県の制度要望に向けた姿勢を毅然と示すべきではないでしょうか。今回の答申を見て、知事の強い態度を迫っていきたいものです。
Posted by 上里ただし at 23:10│Comments(0)