
2011年06月21日
伊江島ラム酒の挑戦

「なぜ沖縄にはラム酒メーカーがないんだ」「あればいいのに」
というつぶやきを店のマスターが言っていたことに感化をされ、私自身、黒糖の多様な用途が必要だということに加えて、ラム酒作りへの支援を口にしてきました。
私自身提案はしていたものの、もう少し時間がかかるだろうと考えていましたが、私の予想をはるかに上回るように、伊江島ではラム酒作りが着々と進んでいました。
今日は、そのラム酒蒸留所を訪ねて、その製造現場を視察すると同時に、工場の担当者からお話を聞くことになりました。
このラム酒蒸留所はかつてはバイオエタノールの製造工場で、この実証実験が終わった後に、伊江村へ無償提供されたとのことでした。その工場の後利用にラム酒製造を考え、実行に移したとのことです。
沖縄におけるラム酒づくりの先駆けは、ヘリオス酒造が有名で、最近では南大東島における蒸留所が有名です。ただ、沖縄県民から親しまれているというところまでにはなってはおりません。
その理由は普段口にする酒ではないからでしょう。沖縄県民を相手にして、ラム酒が泡盛や他の焼酎に取って代わることは今後もないでしょう。
ただ、これが世界の市場を相手にすると事情は違ってきます。ラム酒の世界的な認知度という点では泡盛を格段と上回っており、
「沖縄と言えばラム酒製造地」だというストーリーを展開できるのも可能性がありそうです。
灼熱の太陽の下で栽培されたさとうきび、その絞り汁から作られるラム酒と黒糖、と言ったようなイメージを定着させるのか、さとううきびの多様的な販売や価値を高めていくのが先なのかどうかわかりませんが、伊江島ラム酒の知名度が上がり、ブランド化されることを期待したいです。少なくとも沖縄のお土産品の多様化、ラム酒を作っている島へ行こうという観光資源という点では貢献していくいことは間違いないでしょう。
このラム酒はすでに今年仕込んでいるのは約70トンで、今後この工場が製造しようとしている150トンと比べるとまだ半分ではありますが、話題性やその味わいから、すぐに売り切れるでしょう。この150トンでも足りないような気がして、もう少し増やす必要もあります。
「伊江島産でこだわりたい」と仰っていた、工場長の知念さんの言葉が印象的でした。この島の可能性を引き伸ばすラム酒づくりに、私も何らかの応援をしていきたいと思いました。
まずはこの月末頃に製品第一号が瓶詰めされそうですので、その行方を見守っていきたいと思います。
(写真:工場長の知念さん、大城さんと工場をバックにして)
Posted by 上里ただし at 19:22│Comments(0)