
2010年11月03日
貘さんの空間

と山之口貘さんの長女山口泉さんが、沖縄県立図書館で開設された文庫及びその開設展の感想を率直に述べていましたが、私も分かるような気がします。
今日から、沖縄県立図書館にて、
「山之口貘文庫開設展〜沖縄県立図書館創立100周年記念企画〜」
が始まりました。オープニングセレモニーの際に拝見いたしましたが、出来栄えは上々です。
しかし、この記念企画に携わった皆さんのご苦労に水を差すわけではありませんが、貘さんの人生の歩みからすると、とにかくこの展示は立派すぎて、あまり似合わないな、というのが率直な感想です。
ただ、沖縄が誇る世界的な詩人を顕彰する場がこれまでなかったことから、私としては、この企画展はしばらくというか半永久的に続けていただこうと、ひそかに企てています。
さて、一昨日の記念式典・記念講演が終わり、沖縄県立図書館に隣接する与儀公園を横切って帰る途中で、山之口貘さんの代表作の一つである「座蒲団」の詩が刻まれた記念碑の横を通りすぎました。その記念碑の前で、比較的時間に自由な中年以上の男性達がゴザを引いて大空の下でトランプゲームに興じておりました。
貘さんの記念碑というよりかは、「座蒲団」という詩とお似合いの光景で、仰々しくもなく、誰彼分け隔てない空間こそ、貘さんに相応しいような気がします。
いつか大空の下で貘さんの作品を楽しめる空間が出来ればいいですね。
写真:夕暮れ前の与儀公園。山之口貘さんの記念碑
Posted by 上里ただし at 23:56│Comments(0)