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2009年03月21日

今、ヤンバルの森では

皆さん 大変ご無沙汰しております。
久しぶりの記事投稿なので、少々気恥ずかしいのでありますがこれからは毎日ブログをアップしていきたいと思います。

さて、今日は県議会民主党会派の仲間とヤンバルの森を視察してまいりました。昨年夏に県議会経済労働委員会の視察としてヤンバルの森を訪れたのに続いて私は二回目で、他の新垣安弘県議、山内末子県議にとっては初めての視察となりました。

今回はこのヤンバルの森を毛細血管のように張り巡らされている林道建設に歯止めをかけようという気運が県議会の野党会派の中で高まっており、その林道開設費の予算案採決が差し迫っていることから、その採決前に現場を見ておこうと視察が決行されました。
視察先はこれまで建設されて現在利用されている林道とその林道建設によって行われた数々の自然破壊先と平成21年度予算案に計上されている新たな林道開設予定地でした。
案内をしていただいたのは、前回の県議会視察時にもガイド役となっていただいた環境保全NGOの玉城長正さんとその他関係者の皆さんです。私たち三名の参加に対して5名もガイド役が同行していただくなど、この問題に対する思いが伝わってきました。
玉城さんの案内によると、沖縄のとりわけヤンバルの森の林道開設が大規模化し、山を丸裸にする皆伐方式となったのは沖縄海洋博後の1977年以降だと仰っていました。それ以降、林業振興の名のもとにその施業のためだという大義名分を振りかざして林道を森中に張り巡らせました。中でも、ヤンバルの山を横断し貴重な動植物の生息地を分断させた大国林道の開設が有名ではありますが、いたるところで山を切り崩し、道を作っていきました。
そのことによってヤンバルクイナやノグチゲラそしてヤンバルテナガコガネなど沖縄以外には他の地域に生息していない貴重な固有種の生態系を壊し、絶滅へと追いやっているとのことでした。
それだけでなく生えている木を全て切り倒すことによってその木々が保水していた役割を奪い、さらには尾根筋と沢筋を林道開設によって生じた土で埋めたことによって沢の流れを食い止めたことによって大雨時には地表を削り、土砂崩れを発生させ、さらにその土砂が海へと流れるのだということです。
こうした事業には沖縄振興予算が注ぎ込まれ、85%以上の高率補助で林道開設、林道改良、そして土砂崩れが発生した部分は災害復旧事業として、とにかく一本の道路が公共事業をもたらす道具となっていることに怒りを覚えています。
今、沖縄の海岸線やサンゴ礁の破壊などは県内外からも注目はされますが、このヤンバルの森で起きていることは知られておりません。ヤンバルの森を含む琉球諸島の森は、わが国における唯一の亜熱帯性の森であります。かつては大陸と陸続きであったこの島の生態系が、この森の中で残され貴重な動植物が生存しているのであります。こうした自然の価値が認められ、ユネスコの世界自然遺産登録の自然資産の部分で現在この登録への申請待ちという状況です。
私は林業そのものを否定しているのではありませんが、それでもヤンバルの多様性を持ったこの森を守り、育むことを念頭に入れてその自然と共生しなければヤンバルにおける林業は成り立たないと考えております。
そう考える今のままの林道開設でいいはずはありません。今回の予算審議の中でも担当部長、課長は環境監視や調査には万全をきたすという旨の発言をされていますが、これまでの林道開設とその影響についての総括がなく、さらには一昨年から昨年にかけて行った環境影響調査やその調査に基づいた検討委員会でも委員からも林道開設への疑念がもたれているにもかかわらず、その意見を無視した形で突っ走る今の県政の説明には納得できません。
いずれにせよ明後日が採決です。私や民主党の主張をはっきりさせた態度をとってまいります。

(写真:林道伊江原線の林道沿いの土砂崩れを現場です。3月初旬の大雨によって開設2年も経たないこの林道沿いはすでに土砂崩れが発生しております。開設時から監視をしている方にお話を聞くと、開設時からすでに土砂崩れを起こしていると指摘しています。山を直立に切り出した林道は大雨時には確実に崩れるでしょう。土砂崩れが起きれば高率補助の災害復旧費として公共事業を発注できます。林道を一本開設することによって打ち出の小槌のように公共事業が発生する仕掛けとなっており、この仕掛けそのものを壊さなければ自然破壊は留まることを知らないでしょう)



Posted by 上里ただし at 23:40│Comments(0)
 
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