
2009年01月11日
那覇市の成人式

恒例行事のようになった若者達の行動に対して、国際通りの通り会がイメージダウンを懸念してか報道自粛を求める要請をマスコミにされました。
新成人がカメラに群がり目立つような行動を取ることによって他のお客さんに迷惑がかかり、売上げ落ちていく、それが引いては観光地としての沖縄のイメージを損なうという心配があっての自粛要請だったかと推察しますが、きっとマスコミは自粛しないでしょう。マスコミにとって新成人の行動を象徴するのが那覇市の中心部で繰り広げられる若者たちの行動なのであって、きっと今日の行動ぶりは報道されていくでしょう。
今日のパレット前には、教育関係者や地域ボランティアの皆さんも多くかけつけておりましたが、その中で教育行政の幹部の方が、
「那覇市の成人式は那覇市民の成人だけが暴れているのではなく、他市町から集まって那覇で騒ぐ成人も多い。目の前にいるのは沖縄市内の中学校卒、さっきのは与那原町内の中学校卒」
と教えてくれました。荒れた那覇市の成人式という表現には、那覇市の教育関係者の努力を無にするような気がしますので、こうした部分についてはもう少し丁寧に報道した方がいいでしょう。
それにしてもこうした荒れた成人式というのは沖縄だけなのでしょうか。成人式は新成人同士で飲んで騒ぐという風潮が年々助長されてきているのではないかと思うのです。それでも那覇市内の成人式は中学校区で新成人が主催をする成人式が行われており、各地で感動的な成人式もまた行われているのです。そうした新成人に一人前の成人となることを自覚させるような成人式があることが、琉球新報の「記者の余禄」という深沢友紀さんの記事が紹介されておりました。
深沢さんの記事によると石垣市白保では、1月4日、5日と二晩かけて公民館主催の成人式が行われたとのことです。二日目の成人式は新成人となった皆さんが郷土芸能を披露し、地域や家族に成人としての決意や感謝の言葉を述べたとのことです。こうした成人式を見て、深沢記者は成人式の本当の姿を教えてもらったような気がすると書いていますが、その記事からは成人式のエッセンスがあるように思えました。
それは地域、家族という単位で成人式を行うということです。確かに那覇市などは中学校で現在行っており、そこには父母の皆さんやかつての恩師の姿も見られるのでありますが、中学校区というと少し単位が大きいような気がします。私の通った中学校でも一学年10クラスで約400名の生徒数。
これだけ大勢いると全ての生徒の顔も名前も覚えきれません。せめて小学校区か各自治会で行うなどささやかでも、深沢記者が感銘を受けたような成人式の本当の姿を考えていく必要があるでしょう。
Posted by 上里ただし at 18:16│Comments(0)