
2008年11月26日
LRTを含む鉄軌道の整備

この事業推進の背景には、富山県の一世帯当りの自家用保有台数は1.74台と全国で二位、さらには沖縄本島とほぼ同面積である1241.85km2(沖縄県は1204.41km2)という広さでの移動では車に頼らざるを得ないという事情があります。また環境に配慮した公共交通のありかたを考えると時代に即した事業でもあります。来たるべく高齢化社会や環境配慮型社会を迎えるための投資でもあることは分かりますが、その根幹をなすのは中心市街地に誰でも行き来できるようにしたいという思いがあるからでしょう。
翻って沖縄ではどうでしょうか。
私は那覇市で生活をしているから分かりますが、那覇市に人口と事業所が集中していることから住環境や交通渋滞の問題を発生させています。今回視察をした富山市の人口密度は全国の県庁所在地の中で最も低い1ha当り40人、那覇市の場合は80人(両方の出典ともに平成17年度国勢調査)とその人口密度は地方都市としては群を抜いています。
那覇市の昼間人口はさらにこれよりも大きくなると思われますが、そこで那覇市あるいは近隣の市町における交通渋滞を引き起こす原因にもなっているのではないでしょうか。確かにそのことから考えてみても交通渋滞を緩和の図る切り札的になるのがこの鉄軌道であります。もちろんこの地球全体の課題となっている環境問題などを考えれば車社会からの脱却は大きなテーマと成りえますが、より緊急性の高い、切実な課題はこの交通渋滞の緩和になるのではないでしょうか。
交通渋滞が引き起こす経済損失については、私の6月議会での質問に対して、県は、
「平成18年度の試算で、県民一人当たり年間36.5時間、金額で111,000円、県全体としては年間1,510億円」
と答えています。
この試算が物語るように莫大な損失となっており、これを成人に限ってみても県民にとって相当な損失があるわけです。これらが根幹となって鉄軌道の問題を語る必要があるのではないかと改めて感じた視察でありました。
(写真:LRTの車両基地での説明。二両が点検を受けていました。)
Posted by 上里ただし at 23:33│Comments(0)