
2008年09月14日
未来の図書館

おそらくこの記事は、全国図書館大会神戸大会が来週18日、19日に行われることを紹介するために書かれたものなのでしょう。ドイツ文学者でエッセイストの池内紀(いけうち おさむ)さんの図書館の思い出を語る記事が掲載されていました。二日間にわたる大会の記念講演で池内氏の「図書館の小宇宙」と題してお話をするようです。
記念講演も良さそうな内容ですし、各テーマ毎に設置された分科会の内容も興味をそそられます。私もぜひ行きたいのですが、県議会が始まるので行けそうにもありません。県内からどなたが行かれるか分かりませんが、帰ってきてからその内容を聞いてみたいものです。
この池内氏のインタビュー記事の見出しには「図書館は小宇宙であり、文化のバロメーター」と大きく書かれています。図書館を小宇宙とまで見立てる想像力は私にはありませんが、文化のバロメーターというのはなんとなく分かります。
図書館にどれだけ予算をかけるのか、図書館を街づくりの中でどのように位置づけようとしていくのかはその街に住んでいる人が決めていきます。ですから図書館の運営は、市民の後押しがその前提にあります。その声に耳を傾け、予算の措置をするのは教育委員会の仕事ではなく、その自治体のトップである首長だと私は考えております。だから図書館の充実というのはその地域の文化、つまり市民の営みと直結しているのかもしれません。
ただ、その図書館の充実と言う場合に外からは図れないのは、図書館司書の能力であります。ひょっとしたら図書館司書の能力が高ければそれに比例して館の充実が図れているのかもしれません。ただ数字的な根拠はありませんが、優秀な図書館司書がいるのにその方々の能力が上手く発揮されていないのではないでしょうか。
予算がない、人が足りないそして行政に図書館の運営に理解がないという中で図書館の現場で働く皆さんが、どうしてもモチベーションを上げていく環境には程遠いというのが全国の公立図書館の現状ではないかと想像しています。この図書館大会には公共図書館という分科会が設置されていますが、もし参加できるならば全国から参加者から話を聞き、司書の能力発揮という観点からお話を聞いてみたいものであります。
(写真:那覇市立中央図書館に設置されているレファレンスコーナーです。かねてから設置するようにと要請しておりましたので一歩前進と言えるでしょう。ただ、コーナー設置しても職員がおりません。いなければ調べものをしたい利用者がどうすればいいのかが掲示にはありませんでした。せっかくコーナーを設置したのですから、利用者の立場に立ってレファレンスの利用を促していただきたいですね。)

Posted by 上里ただし at 23:35│Comments(0)