特別調整費50 億円
大田元沖縄県知事「官房機密費50億円を受け取った」爆弾証言
官房機密費50億円を受け取る、というようなYahoo!ニュース(NEWS ポストセブン・12月21日(月)7時0分配信)
を見ました。
記事の内容を見ると、残念ながらスクープでもなんでもなく、おそらく大田元知事の勘違いだと思います。官邸から受け取った50億円というのは、特別調整費のことでしょう。
この記事は、12月21日発売の週刊ポスト(2016年1月1・8日号)誌上で、ノンフィクション作家の森功氏が明らかにしている
ことを元にして書かれていて、大田元知事は、
「沖縄では戦後復興が遅れ、10代の若い人の就職難が深刻でした。仕事がないものだから、若者が暴走行為を起こす。交通事故の死亡が全国平均の2倍ぐらいに上っていました。私がこれを橋本総理と梶山(静六)官房長官に訴えると、若者を救うためだと50億円を官房機密費から用意してくれたのです。
でも結局、それは若者の就職支援に使われず、本土の官僚たちが奪い合いをして分散してしまった。せっかくの橋本総理や梶山官房長官の好意が報われないどころか、あたかもそれで私が基地を引き受けたなどとまで言われてしまいました」
純粋な就職支援なら、何も官房機密費などを使う必要はない。そこには誤魔化しがあるようにも感じられるという森氏が、大田氏自身にその使い道を尋ねても、本土の中央官僚が分捕って消えてしまったと繰り返すのみだったという。(ここでの記事引用は終わり)しかし勘違いしているな、と気づいたのは、以下の新聞記事を見て、大田元知事の発言と似ていることに気づいたからです。
1996年9月11日琉球新報朝刊 1面
振興策に調整費50億円 首相が知事に表明
「沖縄政策協」を新設 兵力構成で米と協議
橋本竜太郎首相と大田昌秀知事は10日午後、首相官邸で会談した。
首相は8日の県民投票の結果を踏まえて、米軍用地強制使用手続きに必要な公告・縦覧の代行を知事が拒んでいる問題を打開するため、?基地の整理・統合・縮小を推進し日米地位協定上の課題の見直しに努力する?4月の日米安保共同宣言を受け、米軍兵力の構成を含む軍事態勢については米国と継続協議する?振興策に関し、官房長官と知事らによる沖縄政策協議会(仮称)を新設し、50億円の調整費を充てるーことなどを表明。知事は会談後、「予算の裏付けが取れ、明るい展望が開けた」と首相の対応を評価した。
「基地の返還、整理縮小も非常に重要だが、行政としてやらなければいけない重大な問題もある」とした上で、若い人たちの雇用、失業問題を早急に解決する必要性を強調した。
以上、引用終わり。
いずれにしても、19年前、県民投票を終えたわずか2日後、9月10日、大田知事は、電光石火の如く、橋本総理と面談し、50億円の特別調整費を含む4項目の条件提示を受けました。その3日後、公告・縦覧の代行拒否を取り下げ、1年半に及ぶ国と県との対立関係は終わりました。
それにしても、
「県民投票ってなんだったばー」
という感情が広がっていたのも事実で、当時、私も同じ思いでした。
県民感情を梃にして提示された条件を、「明るい展望が開けた」と評価した心境、政府とのやりとりを大田元知事から聞きたいです。
こうした前例を目の当たりにすると、翁長県政で今後行われるであろう県民投票には反対です。