沖縄には霞ヶ関はいりません

上里ただし

2011年06月30日 23:44

沖縄振興予算を一括交付金化すると沖縄県庁が霞ヶ関化するという話が今日の代表質問で出されておりましたが、本当にそうなのでしょうか。

一括交付金が沖縄県に交付されると、沖縄県が市町村への配分権限を一手に集中し、沖縄県の権限が強くなるのを懸念する市町村長がいるという話を出す方がいらっしゃいます。そうならないような体制づくりに県も努めてますし、実際には交付金は市町村に委ねるということでありますので、その心配はありません。
私はそれよりも、県内の市町村長や職員が沖縄県庁の権限が強くなるということに懸念があることの方に危惧を抱かざるを得ません。

本当に県内の市町村が沖縄県の権限が強化されることを望んでいないのであれば、それこそ今後も、国の権限が強く及ぶ中央集権体制に期待し、これまで通りの体制に依存し続けることを望んでいることになります。本当にそれが各市町村が望んでいることなのでしょうか。中央集権は沖縄にとって犠牲と悲劇を生み出してきたわけであって、この体制が続く限り、沖縄が幸せになる仕組みが作れないでしょう。

今日、座間味村長が県議会を訪ねてこられましたが、島々で人口が減少していくのを食い止めようと必死でした。これらの問題解決に国に財政的な措置を望むのはよく理解しますが、だからと言って現状の中央集権体制で生まれてきた問題がこの体制下で解決できるかと問われればそれは難しいでしょう。

もちろん沖縄の問題の全てが中央集権体制のせいだと言っているのでありませんが、このままだと東京から離れた地域にそのしわ寄せが来るし、弱いものに負担をかかる状態は変わらないでしょう。現状から一歩進んだ世の中になることで不安に感じるのは、市町村長に限らず多くの方も同じでしょう。

しかしこの変革の時期に必要なのは、新しい体制を自らで作ろうとする意思と行動です。私は市町村長が本当に沖縄県の権限強化に懸念があるならば、県にそうならないような制度構築を求めたり、議論を始めるべきだと考えております。狭い県内でお互いいがみあうより、もっと議論を重ねてお互いがお互いを支えあい、幸福になれるような仕掛け作りを今こそ進めていきたいものです。