しまなみ「海道」
「しまなみ街道」は広島県尾道市と愛媛県今治市を瀬戸内海をはさみ大小10本の橋で結ぶ道です。
いわゆる本四三橋の一本にあたります。
この道路によって、本州と四国間を結ぶ航路は大きな打撃を受けているようで、以前からよく聞く話でした。
今日は広島港から松山観光港へと高速フェリーを利用しましたが、所要時間は約一時間と短く、瀬戸内海の穏やかな海は波が立たず便利なものだと感じました。こうした航路は瀬戸内海をはさんで本四間に何本もあったかと思われますが、高速道路の建設によって、その運航は廃止に追い込まれています。
さらに航路への厳しい環境は、今年から始まった土日だけ高速道路乗り放題1000円が拍車をかけ、民主党政権の高速道路無料化によって圧倒的な流れになるでしょう。
高速道路を整備し、車での移動は便利になりました。このような車社会において、航路を含む公共交通は廃れていくのは時代の流れのように受け止められていますが、本当にそうなんでしょうか。
この国では、車社会以上に深刻な現象は高齢化社会でしょう。今、車を運転できる人が加齢によって、車が運転できなくなれば、車社会は成り立つのかは不確定です。
むしろ公共交通が必要になってくるのが今後2〜30年後を見通した時代の流れになるでしょう。
瀬戸内海における海の道は、古代日本から重要な航路であり、交流の手段でありました。
波が穏やかなこの航路を維持することは、将来の交流や移動の手段となっていくものと期待できそうです。今度の政権には高速道路の無料化はマニフェストに盛り込んだわけですから、中止をせよとは申し上げませんが、航路の維持は自由競争に委ねずに、公共交通として、将来の交流手段としてとらえていただきたいものです。
(写真:(写真:松山観光港のフェリー待合所。空港ロビーのようで、非常に見やすかったです。)