自立なんて

「自立とは、自らが判断できないものである。他者から見て初めて「自立した」と評価されるものである。だから自立を目標にするのはそもそも間違っている」
という主旨だったかと思いますが、これは県の上原良幸企画開発部長の答弁。私も同感です。そうであれば沖縄振興計画や今後の計画にこの言葉を盛り込むべきではないと思うのですが、その辺は、
「議員の皆さんで良い表現があればご提案下さい」
と仰っていました。昨日の県議会沖縄振興・那覇空港整備促進特別委員会での発言でした。
この特別委員会、あと4年と迫った沖縄振興計画終了後、政府に対して何を求めるのかと質疑を交わす特別委員会です。私はかねてから所属してみたかった委員会で、昨日もこの委員会に所属するのは光栄であると表明したばかりです。
なぜ所属したかったかと言いますと、沖縄のあり方というのは日本政府とのかかわり方に大きく左右され、特にこの振興計画のあり方が沖縄の未来を左右すると考えているからです。3次の振興開発計画とその後始まった実質第四次の振興計画によって、県民生活や経済状況がよくなった部分も確かにありますが、本当によくなったのか、またはこの振興計画を持続するのか、
この2年間くらいで結論を出さなければなりません。なぜ2年間かと申しますと、振興計画の残り期間2年間というのは、次に求める振興計画のや特別法や税財源などの移譲などの交渉が控えているからであります。(もちろん交渉するのは私ではなく県知事でありますが・・・)
この振興計画が終わってもまた同じような振興計画を求めるのかどうかというのは県民の意志にかかっています。しかし、県知事や県庁職員の思いというものも大事でありますし、議員の意気込みも大切です。そうした気概は部長の答弁からは感じられるのですが、県知事や県庁職員からは伝わってきません。
「自立とは、他者から必要とされるようになって初めて実現するものである。様々なネットワークの中で存在し、沖縄がなければ社会が成りたたないということを思わせてこそ、自立というものが成し遂げられる」
という発言なども私も同感であります。
「だからどうするのか」
ということを考えなければならないでしょう。
何をすべきかの前に政府に対して何を求めるのかという根本的な問いをしなければならないのではないかという思いに駆られております。私は昨日の質問で、琉球王国と現在の沖縄県の関係について述べました。歴史上に存在した琉球と今の沖縄県ではその歴史性は断絶したかのように見えますが、今も綿々と連なっているものと私は解釈しております。そうして見れば、琉球という国が持っていた自己決定権というのは失われ、奪われた事実をどのように見るのかという設問に答えなければならないのです。私は奪われたと解釈しています。そのような解釈をつきすすめば奪われたものを取り返す、または奪われた私たちの権利というものを回復させていく作業が必要となってくるということなのです。
そこを論拠にして考えていけば、政府に対して沖縄振興開発法で位置づけられている復帰にまつわる沖縄の特殊事情、つまり沖縄戦や米軍統治下でのインフラ整備の遅れを是正することから、さらに政府が琉球藩を設置しさらには武力でもって藩を消滅させ沖縄県を発足させた130年以上前まで遡る必要がでてきます。そうした発想を持って政府と対峙すべきだと高らかに主張しましたが、答弁する皆さんはぽかんとした様子でした。
私の論理の立て方に無理があったのか、そもそも想定していなかったことなのかその辺りはよく分かりませんが、いずれにせよ振興計画に対する私の考え方を述べてみました。これから県庁内での振興計画の総括が始まります。私も作業に加わりたいくらいやってみたい作業です。私は県庁職員ではありませんので、議員としての立場でそのことを考えていきたいと思います。